htsign's blog

ノンジャンルで書くつもりだけど技術系が多いんじゃないかと思います

JScript(not JavaScript)のArrayに対するメソッド群を追加する超単純なポリフィル

今さらこんなコードを書くこと自体恥ずべきことだと思うのだけど、勤務先の業務システムがJSPで実装されており、クライアントサイドはレガシーなIEが想定されています(嘆かわしいですが、よくある光景ですね…)

そしてこれまたよくある光景なのですが、秘伝のソースであるため、

<%-- yyyy/mm/dd add someone IE11対応 --%>
<META HTTP-EQUIV=X-UA-Compatible CONTENT=IE=5>
<%-- /IE11対応 --%>

みたいなのが書いてあるわけです。
お前それどこがIE11対応やねん、といったツッコミはさておき。

そんな環境ですと、おもむろにF12を押してデバッグをしようにも配列やArrayLikeを扱う上で非常につらみを感じるわけです。
「じゃあlodash使えばいいじゃん!」と

(function(s){
  s.src="https://cdn.jsdelivr.net/lodash/4.17.4/lodash.min.js";
  document.body.appendChild(s);
})(document.createElement("script"))

なんてコードを実行してみても、lodashの実行中にコケたりするんです。
そのときに知ったんですが、lodashってIE9+なんですね…。

便利なライブラリが使えないとなると、ある程度自分で書かざるをえないのでブックマークレットを作成して活用しています。

というのが前置き。
当たり前ですがコードの持ち出しは禁止なので、実際のコードとはちょっと違うと思います。

javascript:(function(d,i,l,x,a){d("indexOf",function(v){for(i=0,l=this.length;i<l;++i)if(this[i]===v)return i;return -1});d("includes",function(v){return!!~this.indexOf(v)});d("map",function(f,t){x=this,a=[];for(i=0,l=x.length;i<l;++i)a.push(f.call(t,x[i],i,x));return a});d("filter",function(f,t){x=this,a=[];for(i=0,l=x.length;i<l;++i)f.call(t,x[i],i,x)&&a.push(x[i]);return a});d("forEach",function(f,t){x=this;for(i=0,l=x.length;i<l;++i)f.call(t,x[i],i,x)});d("reduce",function(f,v){x=this,v=v!==void 0?v:x.shift();for(i=0,l=x.length;i<l;++i)v=f(v,x[i],i,x);return v});d("every",function(f,t){return!!this.reduce(function(p,c){return p&&f.call(t,c)},1)});d("some",function(f,t){return!!this.reduce(function(p,c){return p||f.call(t,c)},0)})})(function(n,f){if(![][n])Array.prototype[n]=f})

追記 (2018/06/11 01:59)

改めてGistに起こしました。
ES5 or above polyfills for ES3 (It's not compatible with ECMA-262 strictly) · GitHub

lenという変数を定義してまでいちいちthis.lengthを代入している理由は、賢明な諸兄はもちろんご存知かと思いますが、forループで毎回Array#lengthにアクセスしてパフォーマンスが落ちるからです。
なので最初に長さを持ってしまいます。
その結果、高階関数に渡す関数がオブジェクト自身の要素数に副作用を起こすものである場合、意図しない動作になります。

まぁ自分しか使わないのでどうでもいいんですが。

Partial Active Patterns

引数で受けた正規表現を評価して、ヒットしたら返します。
習作として作りました。

gist.github.com

使い方

アクティブパターンなので、パターンマッチの内部でリストから取り出すイメージですね。
マッチしなければ次のパターン(この例では| _ -> ()の行)に評価が移ります。
今回はデモなのでリストをそのまま出力しています。

open RegExp

let testString  = "abc123def456ghi789"
let testPattern = @"(?<name>[a-z])+(?<number>[0-9])+"

// 単純なマッチ
match testString with
| Match testPattern result -> printfn "%A" result
| _ -> ()

// 単純なマッチの集合
match testString with
| Matches testPattern result -> printfn "%A" result
| _ -> ()

// 名前付きマッチ
match testString with
| NamedMatch testPattern result -> printfn "%A" result
| _ -> ()

// 名前付きマッチの集合
match testString with
| NamedMatches testPattern result -> printfn "%A" result
| _ -> ()

(* 上記 result の部分もパターンマッチなので、
   うまいことリストのリテラルを書いて受けると、そのままリストの中身を取り出すこともできます。
   参考にしたMicrosoft Docsのドキュメントにはこの方法が書かれています。 *)
match testString with
| Match testPattern [e1; e2] -> printfn "e1: '%s'\ne2: '%s'" e1 e2
| _ -> ()

出力

// 単純なマッチ
["c"; "3"]

// 単純なマッチの集合
[["c"; "3"]; ["f"; "6"]; ["i"; "9"]]

// 名前付きマッチ
map [("name", "c"); ("number", "3")]

// 名前付きマッチの集合
[map [("name", "c"); ("number", "3")]
 map [("name", "f"); ("number", "6")]
 map [("name", "i"); ("number", "9")]]

// 下のリストで受けたやつ
e1: 'c'
e2: '3'

これだけあれば、とりあえずはだいたいのニーズを満たせるのではないかと思います。

参考: Active Patterns (F#) | Microsoft Docs

追記

名前付きマッチの返り値をMapにしました。
添え字でアクセスできるようになります。

F#のべき乗計算

現在F#の勉強を始めたところで、基礎的なところをぼちぼち習得している段階です。

演算子の話なんですが、F#にはOCamlの系譜だからなのか**演算子(べき乗)があります。
RubyPythonなど、関数型の血を引いたいくつかの言語にも備わっている珍しくもない演算子なんですが、
なんとこの演算子、F#においては浮動小数点型でしか使えないのです…。
コンパイルするとMath.Pow : float * float -> floatになるようなので、当然と言えば当然ですね…)
追記: コンパイル後に Math.Pow になるのはインライン関数だからで、実際は Pow 静的メソッドを持つ任意の型に対して使える模様。
つまり BigInteger とかでも使えます。

なので整数計算で**演算子を使用したい場合は、

let i = 2 ** 3 // ここでコンパイルエラー
printfn "%i" i

ではダメで、

let i = 2.0 ** 3.0 |> int
printfn "%i" i // 8

などとしなくてはならず、少々面倒くさいです。

どうしてもという場合にはpown関数がありますが、あくまで関数なので演算子のように中置はできない模様。

let i = pown 2 3
printfn "%i" i // 8

// パイプ演算子を使うと中置っぽくなるが、アホっぽい
let i2 = 2 |> pown <| 3
printfn "%i" i2 // 8

ぐぬぬ